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![]() 近年、わが化粧品・日用品業界は過当な販売競争の結果、年々価格が低下する傾向にある。しかし、こうした価格競争の果てに、果たして生き残りはあるのであろうか。 平成11年度通産省(現経済産業省)調査における、東京と世界の主要都市との消費財および消費者向けサービスの内外価格差(総合)は、対シンガポールが2.03倍と最も大きく、次いで対ニューヨークが1.6倍、対フランクフルトが1.57倍、対パリが1.49倍、対ロンドンが1.38倍という順であった。確かにこれだけを見れば東京の物価は高いわけである。しかし、これを品目別に見ると、「日用品の価格水準は世界標準より安い」という奇妙なねじれ現象があることが分かる。 例えば量販店などで最も山積み機会の多いティッシュペーパーを例にとると、その価格差はシンガポールの1.16倍を除けば、0.23倍から0.4倍、諸外国の3分の1から4分の1の価格で販売されている。同様に洗濯用洗剤は約半値、歯磨は半値から8掛け、トイレットペーパーも9掛けといったところであろうか。シャンプーや紙おむつは、より高度なニーズを背景とするためか、諸外国よりは割高な価格となっているようである。 小売業界では、国際競争に備えて財務体質の改善が急務となっているが、今日のような価格競争を続ける限り、明るい21世紀は開けない。そろそろ店頭の付加価値を演出するMD、ロイヤル・カスタマーづくりや消費者ニーズに合った売場づくりを軸としたカテゴリー・マネジメントの確立に向けて、重い腰を上げる時ではないだろうか。
![]() 情報志向型卸売業研究会(略称:卸研)のシステム・ノウハウ研究委員会(遠藤宏治委員長・貝印社長)では、分科会活動の1つとして、昨年1年間、「カテゴリー・マネジメント」の研究に取り組んだ。同分科会のリーダーは楢村文信氏(P&G)で、全7回の研究会と合同見学会を通じて、カテゴリー・マネジメントの定義づけ、需要動向管理における消費者価値を実現するためのビジネスモデル、カテゴリー・マネジメント戦略、カテゴリーマネジャーのあり方などを実際の事例、デモンストレーションを交えて研究したものである。 この分科会の終了後、参加者を対象に行ったアンケート調査の結果は非常に興味深い。 まず、「分科会でのカテゴリー・マネジメントとこれまでに認識・実施していたカテゴリー・マネジメントに違いはあったか」という設問に対しては、「認識していたが、実施されている事象とは異なる」と答えた人が最も多く、「認識と一部異なっていた」がそれに続いた。 認識と実施内容が異なると答えた人には「カテゴリー・マネジメント=棚割提案」と受け止めていた人が最も多く、認識と一部異なると答えた人には、JICFS分類以外のとらえ方、業態・チェーンのコンセプト毎にカテゴリーをとらえ直すことが必要という意見が聞かれた。 唯一「カテゴリー・マネジメントが実施されている」と答えたところは、本部レベルでの一部取引先とのMD支援については「8STEPを踏襲している」と非常に高い理解を示していたが、これが現場レベルでは「依然棚割中心」と、理論と実践に落差のあることが分かった。 また、「カテゴリー・マネジメントを自社/日本で導入しようとした場合、どのような課題、障害が予想されるか」という質問に対しては、「消費者データや市場データの購入」に大きなコストを要することと「システム基盤の未整備」など情報インフラへの不満が多く、「効果測定の難しさ」や「経営陣の協力」「協働意識の欠如」「製配販の違い」「チャレンジャーの戦略」など、日本ならではの問題も上げられた。 不満の多かった「システム基盤の未整備」に関しては、データの収集・処理に対する社内インフラの整備・分析システムに関わるコストが課題とするものや、POSデータ等の標準化、EDI化の普及促進、製配販における商品分類の統一の必要性を指摘するものがあった。 ただ、データが整わないからカテゴリー・マネジメントを始められないといのは本末転倒で、先進国の事例でも、とりあえずはスタートし、そこからデータが整備されてくるというのが実態のようである。 「効果測定」については、時間対効果の評価の難しさが上げられており、特に中小企業でも容易に実践できそうな成功事例の紹介が、普及促進に向けた当面の課題と受け止められている。 「経営陣の協力」については、まず”消費者メリットの追求”という会社の方向性を明確にし、製配販三層共に売上至上主義的な考え方を排除する必要性を指摘している。ここでは、カテゴリー・マネジメントが単なる棚割ではなく、経営改善のための指標として正しく受け止められているようである。 また、カテゴリー・マネジメントの障害に対応できる「人材の確保」や「教育啓蒙」も緊急の課題と受け止める向きは多い。 「協働意識」に関するものでは、製配販のカテゴリー定義の統一とデータ開示の実現が課題と受け止めており、量販店が商圏分析から入るのに対し、メーカーはそれを意識しないなど、視点のズレをどう克服するかも課題としている。 「チャレンジャー戦略」とは、シェア下位のメーカーや卸店がカテゴリー・キャプテンとなるのは難しいという素朴な疑問だが、これは先進国にも2番手以下のメーカー・卸店がカテゴリー・キャプテンとなる事例は存在する(カテゴリー・マネジメントに対する理解が主導権を決する)ため、この紹介が課題となるようである。 |
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