■パレット輸送でコストダウンと売上げ伸張を達成

具体的なコストダウンの取り組みは、大サイズの取り扱いと品ぞろえの最適化、大手小売業で広く導入ざれているパレット輸送を基本とした。P&Gはアメリカでは、40以上のカテゴリーでこのパレット輸送を行っているが、まず重要性の高い7カテゴリーに限定し、95年から実施した。

パレット輸送はP&Gから運び込まれたパレットをそのまま小売店に持ち込む(クロスドッキング)ため、流通コストを大幅に削減できる。パレット輸送によるコスト削減が明確になると、そのままで最終ディスプレーする小売店も出てきた。このパレット輸送は92年にわずか2%であったものが、95年には93%にまで拡大しており、いかに大きなコスト削減が得られたかが分かる。また、パレット輸送を行ったカテゴリーは、他の40カテゴリーに比べれば、平均6%以上成長している。1994年と95年を対比すると、パレット輸送に注力したセンター(全体の3分の1)では売上げが5%伸びたが、パレット化が平均的なところは、ビジネスにも大きな伸びがなく、パレット化が進まなかったセンターは、逆に売上げが下がった。パレット化と大サイズに焦点を当てたところは、平均14%増の売上げを達成した。そして、この成功ストーリーを他メーカーの説得材料にも使った。ECRに取り組んだ同盟メーカー15社は、すべて売上げが伸びており、中でもP&Gは一番上位に近い。

■ECRの推進力となったカテゴリー・マネジメント

P&Gとの同盟関係が強化されてくると、カテゴリー・マネジメントのテンプレートも作れるようになり、95年12月からはティシュ、ペーパータオル、紙おむつを中心にカテゴリー・マネジメントも実施した。現在はP&G以外にもメーカー5社と実施している。
 カテゴリーごとのプランニングは、@効率的かつ必要な品ぞろえAシェルフの最適化Bプロモーション、必要なサイズと色C流通コストを下げ、それを消費者に還元することで、そのエリアの競合に適した価格を実現する。この4つの定義に基づき、戦術を組み立てていった。アイテムを減らしても消費者の満足度を損なうことがないよう、販売データに基づく効率的な品ぞろえを重視し、その結果、紙製品のビジネスは、取り扱いアイテム数が減ったが、数量売上げは各センターとも2ケタ伸長を達成した。


カテゴリー・マネジメントは卸店に大きなチャンスをもたらす。大型店は自社で能力を持つが、フレミングがこのインフラを創り上げ、小売店に提供することが小さな小売店には必要だからだ。カテゴリー・マネジメントの導入により、売上げ増減の理由も即時に分かるようになる。業界の統計によれば、カテゴリー・マネジメントは88の商品分野で実施されており、それによってカットされるSKUは全体の12%、(売れ筋なのに)それまで扱っていなかったSKUが4%増えるため、トータルでは8%の減少となる。カテゴリー・マネジメントの導入による売上げの伸長は平均で4.4%、小売店のマージンも平均1.1%増加している。消費者にはアイテムが少なくなっても、品ぞろえが豊富という印象がある。

■効率的なプロモーション

敵対関係を脱し、互いに共通の目標に基づいて、長期計画を立てることで、効率的なプロモーションの運用、資金の有効活用が可能となり、業績に反映されるようになった。P&Gは事前にプロモーション内容を告知するようになり、フレミングも提供される資金を計画的に運用できるようになった。フレミングでは、効率的なプロモーションの一環として、P&Gの協力で1年に3回のイベントを行っている。
 フレミングではまた、卸店の役割の変化を受け、約2年前からサービスを有償化に切り替えている。小売店ごとにサービスコストを計算し、同社の仕入れ価格などもすべて明示している。メーカーと卸店の効率が上がれば、小売店の効率も上がる。取引自体は最小基準の取り決め、仕切り書、注文書の発行、ケースの最高重量、従業員の保険料などすべて業界内の基準も満たしている。主要な3カテゴリーが商品のコストを下げるのに役立っているが、最終的な品ぞろえは小売店が決断し、荷動きの悪い商品を扱う場合、そのコストと責任は小売店が持つ。


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